「捨てない海へ。つなぐ未来へ。」
ウミト・プラスでは、役目を終えた漁具に「終わり」を与えるのではなく、
新たな命を吹き込むことに挑戦しています。
海苔網の現実と、私たちの挑戦
海苔養殖に使われる網は、非常に丈夫に海苔養殖の漁師さんたちの為に、研究を重ねられて作られています。
ナイロンを主成分(90%以上)とし、エステルやエチレンなどが複合された特殊な素材です。
このため、一般的なリサイクル工程には適さず、その多くが廃棄されてきました。
しかし、私たちはその現状を変えたいと考えています。
「海苔網は再資源化できない」という常識に、挑戦しています。
現在、私たちは以下のような方向性で技術検証を行っています:
- ✔ SAF(持続可能な航空燃料)への転換可能性の検証
- ✔ 裁断・加工によるエコバッグなどのノベルティグッズ化
- ✔ 複合素材に対応した再資源化技術の模索
今できること:「リユース」という形
すぐにはリサイクルが難しい現状も踏まえ、現在ウミト・プラスでは
洗浄・整備した海苔網を以下のような形でリユース販売しています。
- 獣害対策ネットとして山林や農地で活用
- グリーンカーテンや園芸用ネットとして住宅や学校で利用
網に込められた“海の恵み”を、別のフィールドで“つなげる”取り組みです。
海をゆたかに・・
〓ブログ〓
【7月9日】
タイトル:海苔網を「フラフ」へ――ウミト・プラスの次なる挑戦
現在、ウミト・プラスでは、寿命を迎えた漁網を回収し、山林や農地で活用できる「獣害対策ネット」や「植物用ネット」として再利用いただく活動を行っています。これは、廃棄物を新たな資源として活かす“リユース”の取り組みです。
しかし私たちは、「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」の考え方に基づき、次のステップである“リサイクル”に挑戦したいと考えています。とりわけ、使用済みの海苔網を新たな資源へと生まれ変わらせる技術の確立を目指し、日々取り組みを進めています。
今週はその一環として、愛知県内のリサイクル事業者を訪問し、素材再生の現場を見学させていただきました。
インターネットなどで「漁網 リサイクル」と検索すると、多くの事例が紹介されていますが、その多くは「単一素材(たとえば100%ポリエチレン)」の漁網を対象にしたもので、ペレット化が比較的容易なものです。
一方で、海苔網は耐久性が求められるため、主素材であるナイロンに複数の添加物が加えられており、非常に頑丈に作られています。こうした複合素材は再資源化の工程が複雑で、現時点ではペレット化が難しいという技術的課題があります。
また、リサイクル工程において必須となる「裁断」も容易ではありません。漁網は裁断機に絡まりやすく、設備への負荷が高いため、受け入れが難しいという現場の声も聞かれました。
このような背景をふまえ、ウミト・プラスでは、まずは実現可能性の高い「フラフ化」(=固形燃料化)に着目し、研究・検証を進めています。
今後は、フラフ燃料を活用している企業への訪問や連携の模索も行っていく予定です。
最後に、このブログをご覧いただいている皆様の中で、
引き続き、持続可能な海の未来に向けて、皆様とともに取り組んでまいります。